プログラミングに興味がある方は、「英語でプログラミングを学ぶメリット」について考えたことがあるかもしれません。
私自身、これまで英語でプログラミングを学んできた中で、「英語で学習するメリットは非常に大きい」と実感しています。今回は、英語でプログラミングを勉強する過程で感じた利点をまとめてみます。英語とプログラミングの両方を理解できることで、学習がよりスムーズになります。
1 学習教材の豊富さ
英語では、多くのプログラミングに関する記事や動画、オンラインコースがあります。基本的に、学習教材は多い方が良いです。
例えば、特定のプログラミング教材で理解できない部分があった場合、その教材だけではなく他の教材の該当箇所も調べるほうが効率的です。別の説明を見れば簡単に理解できる場合もあるからです。疑問点が解決したら、再度元の教材に戻っても問題ありません。
このような柔軟な学習方法を選択するためには、多くの学習教材が存在することが重要です。他に利用できる教材がなければ、難しい内容でもその教材を使わざるを得ません。
「プログラミングの学習に挫折した」という経験がある方は、単純に教材が難しかったことが挫折の原因かもしれません。自分に合った理解しやすい教材を見つけたり、多様な選択肢から教材を選べるように、英語でプログラミングを学ぶことが重要です。
2 プログラミング用語の理解のしやすさ
プログラミングを日本語で学んだ方には、思い当たることがあると思いますが、正直日本語ネイティブでもよくわからない漢字や、謎のカタカナ語に遭遇することがあります。
数学と同様に、プログラミングなど一種の「専門分野」を学び始めると、必ずしも日本語がわかりやすいわけではないのです。そもそも日本で発展してきた分野ではないため、「翻訳された単語が必ずしも本来の意味を表せているわけではない」ということがあります。その結果、日本語の単語から本来の意味が分かりにくくなってしまうのです。
例えば「正規表現」という言葉。これは「文章中からある共通のパターンに一致する部分をまとめて抜き出す」ときなどに使われます。しかし、日本語で「正規」と聞いてこの意味をなんとなく推測できる人はどれくらいいるでしょうか?おそらくほとんどいないと思います。
ちなみに英語では”regular expression”と言います。英語で学習を続けていると慣れてきますが、“regular”は「よくある」、そこから「一般的な・共通の」といった意味合いを持ちます。“general”や”common”とも似ています。一方で、“expression”は「表現」、つまり「何かを表したもの」という意味です。
したがって、“regular expression”は「共通して表しているもの・共通の表現」と理解できます。実際に”regular expression”では以下のようなパターンをまとめて表現できます:
(1), (2), (3), (4), (5), (110)
つまり(数字)という構造を表現する”regular exxpression”を作ることができます。ちなみに \(\d+\) という”regular expression”で上記のパターンを全て表すことができます。
今回の例であれば、\(\d+\)が (1), (2), (3), (4), (5), (110)に「共通の表現」であり、この表現を「正規表現」というわけです。
(もっとも私は正規表現の由来をきちんと理解していませんが、少なくとも実用上は正規表現をこのように理解しておいて問題ないと思います。)
このように、日本語訳では単語から意味を想像することが難しくても、英語では確かに本来の意味を表しているといえるのではないでしょうか?単語と本来の意味が一致していれば、理解もしやすく記憶の定着も良いと思います。
上記のような”regular”や”expression”といった英単語の理解の仕方には慣れが必要です。しかし、普段から英語で学習をしていれば、学習初期の負担はあるとはいえ、中長期的には大きなメリットとなるでしょう。
またプログラミングでは英単語が略して使われることもあります。先ほどの “regular expression” であれば “regex” が使われます。他にも “args” (arguments / 引数) や “len” (length), “dict” (dictionary) など様々な単語の略があります。
こうした”略”は元の英単語とは簡単に結びつけることができますが、日本語でばかり学習していると、「引数をarg1に渡しているけれど、なぜarg1という名前なの?」や「argsって何の略だっけ?」となってしまい、効率的ではありません。何なら「引数」という言葉すら日常では使いませんから、「なぜ関数に渡す値を「引数」と呼ぶの?」という疑問すら出てきてしまいます。なぜ「引数」と呼ぶかを考えるくらいなら、日本語ではなく英語の”argument”で覚えてしまい、なぜ関数に渡す値を”argument”と呼ぶようになったかを調べる方が楽だしメリットが大きいと思います。
ある程度以上難しいことを勉強するようになったら、プログラミングであれ、数学や生物学であれ、どれも単語くらいは英語で学習した方が、結局得られるものが多いと実感しています。カタカナや漢字に直さず、「英語は英語で」学ぶことが結局近道です。
3 質問サイトなどでのプログラミングエラーの解決やコードの書き方の検索
ある程度基礎ができ、実際に自分でコードを書き始めると、様々なエラーに遭遇します。こんな時は自分でエラーの原因を調べ、解決する必要があります。ではどこで解決法を調べればよいか?解決策はインターネット上の質問サイトなどで質問したり、探したりすることができます。とはいえ、こういったサイトでは英語でコミュニケーションが行われていることがほとんどです。ここに、普段から英語でプログラミング学んでおくメリットがあります。
英語でプログラミングを学習していれば、プログラミングに関する英単語や、プログラミングの分野独特の英語表現を知っているので、検索に使う用語がわかり、解決法を読んで調べることができます。
翻訳用のアプリを使う手もありますが、プログラミング用語は翻訳してもよくわからないものも多いです。それに、そもそも毎回翻訳なんてしていられません。情報は取捨選択が大事です。さらっと読んで問題解決に結びつくかどうかを、判断できる程度に英語のスキルを上げていきましょう。
もちろん、翻訳用のアプリが非常に便利な状況もあります。要は使い分けが大事です。 翻訳用アプリと英語学習との関係については、以下の記事をご覧ください:
4 プログラミングに関する新しい情報の入手のしやすさ
ここまでお話ししてきたように、英語で書かれたプログラミングの教材や質問サイトなどで得られる情報は、日本語で得られる情報よりもずっと多いです。日本語では余り見つけられない学習コースやプログラムなど、英語であれば様々なサービスや情報があります。普段から英語でプログラミングを勉強していれば、新しいスキルを身に着けたいと思ったときに、すぐにスキルの学習を始められます。
5 まとめ
英語でプログラミングを学ぶメリットをご紹介しました。プログラミングを学習し始めたときには「用語の理解のしやすさ」というメリットがありますし、中長期的にも非常に有用な学習方法です。確かに英語があまり得意ではない方には、最初の学習コストがあります。しかしプログラミングを長く続けるのなら、英語でプログラミングを理解できることは有用なスキルになってくるのではないでしょうか?
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