1 三角関数の2倍角の公式とは?
仲良し2人が鉛筆を5本ずつ持ち寄れば、鉛筆は全部で2倍の10本になります。12個入りのチョコレートの箱を2個買えば、チョコレートは2倍の24個になります。このように、ある数の2倍となる数は簡単に計算できます。三角関数に値も \frac{1}{2} や 0.7 といった何らかの数で表されるので、\sin \theta = 0.5 であれば、その2倍は 2 \sin \theta = 1 となり、やはり簡単に計算できます。
では、\theta という角度が2倍になると、サインの値はどうなるのでしょうか?つまり、\sin \theta の値がわかっているとき、\sin 2 \theta はどのように表されるのでしょうか?
その答えが三角関数の2倍角の公式(double-angle identities)です。2倍角の公式は、以下のように角度が2倍になった時の三角関数を、角度が \theta である元々の三角関数を使って表すことができると、主張しています。
Theorem 1 (2倍角の公式) \sin{2\theta} = 2\sin\theta \cos\theta \tag{1}
\cos{2\theta} = \cos^2\theta - \sin^2\theta = 2\cos^2\theta - 1 = 1 - 2\sin^2\theta \tag{2}
\tan{2\theta} = \frac{2\tan\theta}{1 - \tan^2\theta} \quad (1 - \tan^2θ \neq 0) \tag{3}
言い換えると、2倍角の公式は、角度が2倍になった時の三角関数と、角度が \theta である元々の三角関数の関係を示しています。
この記事では、2倍角の公式の使い方を学習してみましょう。
2 2倍角の公式を使った問題の解き方
Example 1 (\sin 2 \theta に関する公式) \sin \theta = \frac{1}{5} のとき、\sin 2\theta の値を求めましょう。ただし、 0^\circ \leq \theta < 90^\circ とします。
Solution 1. ステップ1:2倍角の公式を確認する
Equation 1 より、
\sin 2\theta = 2 \sin \theta \cos \theta
つまり、\sin 2 \theta の値は、 \sin \theta と \cos \theta の値がわかれば、求めることができます。
ステップ2:\cos \theta を求める
一般に、\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1 が成り立ちます。この公式を使うと \sin \theta から \cos \theta を求めることができます。
\begin{aligned} \sin^2 \theta + \cos^2 \theta &= 1 \\ \cos^2 \theta &= 1 - \sin^2 \theta \\ \cos \theta &= \pm \sqrt{1 - \sin^2 \theta} \end{aligned}
ここで、 0^\circ \leq \theta < 90^\circ であることから、\cos \theta > 0 が成立します。したがって、
\cos \theta = \sqrt{1 - \sin^2 \theta}
となります。
\sin \theta = \frac{1}{5} であることから、
\begin{aligned} \cos \theta &= \sqrt{1 - \sin^2 \theta} \\ &=\sqrt{1 - \left(\frac{1}{5}\right)^2} \\ &= \sqrt{\frac{24}{25}} \\ &= \frac{2\sqrt{6}}{5}. \end{aligned}
ステップ3:\sin 2 \theta を求める
Equation 1 より、
\begin{aligned} \sin{2\theta} &= 2\sin\theta \cos\theta \\ &= 2 \cdot \frac{1}{5} \cdot \frac{2\sqrt{6}}{5} \\ &= \frac{4\sqrt{6}}{25}. \end{aligned}
これで、 \sin \theta から \sin 2 \theta の値を求めることができました。\theta を2倍して 2 \theta という角度を考えるとき、 \sin 2 \theta は単純に \sin \theta の2倍にはなりません。このことに注意しましょう。
3 まとめ:2倍角の公式の使い方ポイント
2倍角の公式は、元の角度についての三角関数の値と、角度が2倍になった時の三角関数の値との関係を表しています。角度が2倍になっても、三角関数の値は単純に2倍になるわけではありません。
2倍角の公式は3つありますが、必ずしも覚えておく必要はありません。2倍角の公式は加法定理から簡単に導くことができるからです。三角関数の公式はたくさんありますが、ほとんどの公式は少しのステップで求めることができます。公式の丸暗記ではなく、公式を求める方法をよく理解しておきましょう。
FAQ
三角関数の2倍角の公式とは何ですか?
- sin 2θ = 2 sin θ cos θ
- cos 2θ = cos² θ − sin² θ = 2 cos² θ − 1 = 1 − 2 sin² θ
- tan 2θ = (2 tan θ) / (1 − tan² θ) (ただし 1 − tan² θ ≠ 0)









